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【農福連携講座】見えないものが見えるようになる講座 微生物編 第8回『土に潜む病原菌』を開催
『土に潜む病原菌〜実はヒトに作られた病原菌!〜』と題して佐賀大学名誉教授の染谷孝先生をお招きしを"見えないものが見えるようになる講座 微生物編"の第8回目が開催されました。
微生物編は13回に分けて目に見えない微生物の世界を知り、農福連携で行わるコミニティ農園づくりに役立てることを目的としています。
今回は病原菌のお話。土の中で大人しく暮らしていた病原菌が、ヒトの中途半端な技術が原因で発生した悲劇的なものでるというお話でした。
参加した方の感想を一部ご紹介します。
・身近な話でわかりやすかったです。
辛子レンコンのボツリヌス菌が真空大好きだったことを知りました。
・レジオネラ菌 循環式のことがよくわかりました。
・温泉の選び方も良かったです。
・新しい技術は要注意にはそうだなと思いました。
本日もありがとうございました。
・今日の講座の中に出てきた病原菌(ボツリヌス菌、レジオネラ菌、炭疽菌、破傷風菌)については、ニュース等を通じて、耳にしていたが、それぞれの菌の特徴およびそれらが人間によって作り出されたものと言えるものであることを初めて知った。 微生物等の目には見えない世界のこと、自然のメカニズムについてのしっかりした理解がまずは大切であると思った。 ますます土壌微生物の世界について、興味が高まった。今日はとても勉強になりためになりました。
・塩素を使う、煮沸する、真空パックにするなど、様々な殺菌・保存方法についても、微生物の生態や特徴などを考えながら、適切なものを選択していかなければいけないことを改めて痛感しました。それにしても発酵食品、先人の英知の積み重ねですね。。。
・ボツリヌス、レジオネラ、炭疽菌、破傷風菌の問題を世界、日本の世相の事件等と連携して想起させる方式でのご紹介で、自分ごととして振り返りながらじつくり聞け、改めて生活シーンの中で、安全と安心のために、注意すべき項目を認知理解できました。微生物との、共生をプラス、マイナスの両面から、見える化する工夫がされており、ありがたいです。
・人によってつくられた病原菌について身近な事例(辛子レンコン事件と日帰り温泉施設での肺炎感染)でお話を聞かせていただきました。新しい技術を導入するときは、キチンとデメリットの評価をすることの教訓を再認識しました。更に安全な入浴施設の見分け方まで教えていただき、今後の参考になりました。
次回の講義は、12月3日㈯人づくり編③『ニーズを探してみよう!』です。 アーカイブでの受講もできますので、ピンっときた方は下記のURLをご覧いただき、指定のGoogleフォームから参加申込みをお願いします。 https://www.100nenbond.com/post/biseibutsukouza
本事業は、ジャンピアの支え合う休眠預金事業の助成金をいただいて、運営しています。 #休眠預金#JANPIA#支え合うあう多様なコミュニティづくり支援
【講義レポート】

1 ボツリヌス菌

芽胞を持つ菌
熱や乾燥に強い
沸騰水中でも死なない
121℃20分で死滅、レトルト有効
嫌気性菌 酸素に触れると死滅
ボツリヌス毒素を生成
生物毒で最も強力
辛子蓮根で死者多数
ハチミツに含まれるため乳児注意
生物兵器やバイオテロに使われる
辛子蓮根事件
蓮田にボツリヌス菌が分布する可能性高い
辛子味噌に入れるハチミツにも混入
調理温度では耐えれる
真空包装により空気と遮断
加熱して食べる習慣がない
→真空包装を過信した甘い衛生管理
新しい技術には要注意
2 温泉と空調に潜む菌 レジオネラ菌

宮崎の温泉施設
レジオネラ菌による肺炎
保健所の営業自粛要請を無視して営業
在郷軍人会の会合から集団肺炎の発生
そのホテルの前を歩いていた人も感染
新種の病原菌を発見
レジオネラ菌(在郷軍人病菌)
高温耐性
冷却塔や温泉浴槽で繁殖
細胞内帰省菌
動物やマクロファージの細胞内で繁殖
塩素消毒も抗生物質も聞きにくい
対策:熱処理、塩素消毒の徹底
日和見感染菌
宿主の免疫力が低下した時に感染症を起こす病原菌
レジオネラ菌、黄色ブドウ球菌が典型
チンピラヤクザみたいな菌
細胞内寄生菌
他の生物の細胞内で増殖する微生物
レジオネラ菌、結核菌、赤痢菌など
抗生物質や消毒液が効きにくい
温泉の危機
循環濾過式では完全冠水は不要という国の基準
この基準が元凶で新規技術の弊害
本来、土壌でおとなしく暮らしていた菌がヒトの暮らしに適用して病原菌になった

3 炭疽菌

家畜に炭疽病を起こす人獣共通感染菌
バイオテロに使われる
4 破傷風菌

破傷風毒素を作る
ジフテリア
猩紅熱
大人の喉に10%いる
日和見感染菌
まとめ
